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初めておいでになった方は、「はじめに」を読んでください。


by umepochisky
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ヤクザと私〜第一夜・出会い

ヤクザからのトラバです。ヤクザ繋がりってだけなんですが、いい経験だったなぁと思うことがあったので、(おそらく)2夜連続企画です。

大学時代、商店街の端にあった場末のカラオケスナックでホステスのバイトをしたことがありました。
出勤初日の初仕事が、脱税のお手伝い(裏帳簿と表帳簿の作成)だったので面食らいましたわ。ちょうど税務署の立ち入り調査の前日だったんです。

それはさておき、そのスナックに毎日開店と同時にやってきて、閉店までどころか、閉店後も店のママや私を遊びに連れ出すSさんというお客がいました。
当時Sさんは40代半ば。体重が80キロほどの巨漢で(身長は160センチほど)体形がはっきりせず、いつもイトーヨーカドー辺りで売ってそうなメンズのお洋服を着ていたし、頭は角刈りで、自分のことを「俺」と呼ぶので、てっきり男性だと思ってました。
Sさんはスナックのママにご執心だったんですが、ママにはKさんというパトロン(町工場の社長)がいて、Kさんも週に1〜2日ほど店に来ますから、いつトラブルになるかとヒヤヒヤしてました。

ある日、16歳の女の子がお店のドアをバーンと勢いよく開けて飛び込んで来て、その駆け込み具合にも驚きましたが、「ママ〜」とSさんにタックルして胸に顔をうずめたので更にビックリ。
「へ?ママ?」(←心の中の声)
Sさん「おう、やっちゃん(私の源氏名)紹介するわ。これ、俺の娘。C子っての」
C子「うふふふ」
私「へ、、、へぇ〜娘さんがいたんですか。よろしくね、C子ちゃん。でもなんでママって呼ぶの?」
Sさん「なんじゃと!!!(怒)俺が母親だからに決まっとるだろが!」
私「えーーーーっ、Sさん・・・(女だったんですかと言いかけて言葉を飲み込む)」
Sさん「俺が女に見えないって言うんか!」
私「・・・(見えません←心の声)。そ、そんなことないですよ〜。でもSさん、ユニセックスっていうか、中性的な魅力があるから、どっちかな〜って思ってたけど。ほら、宝塚の男役みたいな、ね?」
Sさん「(機嫌を良くして)おお、そうか。宝塚か。やっちゃん、一杯飲むか?」

このことから、私はSさんに大変興味を持つようになりました。
Sさんが女で、お店のママにご執心ってことは、その、あの、そういういことですよね?女性同士の。でもママはノンケでパトロンいますからね。この恋の行方は、とっても気になりました。




それからは、Sさんに根掘り葉掘りいろんなことを聞きました。

Sさんの頭には、毛の生えてない部分が筋状にあります。天頂から後頭部にかけて縦にザックリ1本と、後頭部を左右にザックリ1本、白い筋になって盛り上がってて縫った痕跡があります。
私「すごい傷ですね。どうしたんですか?」
Sさん「おう、こりゃぁな、若い頃に喧嘩してよう、頭かち割られたんだよ。こんときは2週間ほど生死の境をさまよってな、みんな死ぬって思ってたらしいぞ。頭蓋骨割れてな、脳みそ出たんだってよ」
私「(あぁ、それで。←心の声)」
Sさんの言動が時々ズレるのは、きっとこの怪我のせいかもな、と1人で納得しました。

酔っぱらうとSさんは、「よう、やっちゃん、俺よう、ほんとによう、ママのことが好きなんだよ。どうにもなんないくらいよう、好きなんだよ。なぁ、やっちゃん、分かるか?おめーに分かるか?」と私に言います。
ちょっと切ないです。好きで好きでどうしようもないって気持ちは、私にも解りますから。でもママからは、「Sさんがさ、一緒に住もうって言うんだけどさ、断ったんだよ。マンション買うって言われたんだ。でもほら、私、そのケ、ないからさー。困っちゃうよねぇ」と聞いてたので、どういう言葉をかけてあげればいいのか解らなかったです。私もまだバージンで子供だったし、その辺のデリカシーが欠如してるタイプだったから。

毎晩、Sさんを酔い潰しては話を聞き出してたんです。
そしてSさんが、ムショから出所したばかりだってことも。。。。
明日に続く。
by umepochisky | 2005-09-20 03:12 | いろんな人のこと